自然保護センターの山田哲弘先生と一緒に笹ヶ瀬川土手沿いの自然を散策する笹ヶ瀬川Prjectの第二回目を6月20日(火)に行いました。
今回のテーマは『梅雨の笹ヶ瀬川を散策』のはずが…今年は空梅雨。この日も気温が上がり『空梅雨の笹ヶ瀬川を散策』というテーマに変更して行いました。3歳児の子どもたちは、てっちゃん先生との再会に大喜び!張り切って散策に出かけました。
【さがしてみよう】
最初は鼻のワンダーパワーを使って、てっちゃん先生が手の中に隠した葉っぱと同じにおいの植物探しゲームをしました。
「あった!」 なんと子どもたちはすぐに正解の植物を当てることができました!いい匂いの正体はヨモギでした。みんなすっかりにおいも葉っぱの特徴も覚えていたんですね。
そうしていると先週散歩した時に見つけた赤い実が気になった子どもたち。「どこかな?」「あった!」「先生取って!」「食べてみよう!」「酸っぱい!」「甘い!」
ナワシロイチゴという名前だそうです。鳥さんも食べに来るから残しておこうねとてっちゃん先生に教わりました。
次にてっちゃん先生が紹介してくれたのはナンキンハゼという木です。細長い黄緑色の実がついていました。早速触ってみると…「ぼこぼこしてるね。」「プチプチだね。」柔らかそうな見た目とは裏腹に少し硬い感触に驚いていました。秋になると紅葉して白い実になるんですって。変化が楽しみですね。
ナンキンハゼの葉っぱに面白いものを発見!カメムシの卵です。小さな赤ちゃん卵ですが、ちゃんと体には一匹ずつ模様がついていました。神秘的!
ふと足元を見ると虫を発見!カブトムシなどの仲間の甲虫だそうです。動きが少なかったのでみんなそぉ~っと見守りました。
少し行くと地域の方が植えられている花が咲いたところに到着。花の蜜を求めてやってきたチョウチョを発見!持ってきたアミで早速虫取りをしました。
てっちゃん先生や保育士でアゲハチョウ、モンシロチョウ、ツマグロヒョウモンなどを捕まえることができました。
【持ってみよう】
「ギュッとつかまれたら皆も痛いよね。優しく持つためにチョキの指で羽を挟んでごらん。」とチョウチョの持ち方をてっちゃん先生が教えてくれました。早速挑戦!
「見て!持てたよ!」チョウチョを捕まえるたびに上手く持つことができるようになっていった子どもたち。生き物の命を大切にする触れ方ってとても大事ですね。
チョウチョを持った時に指につく粉は“りん粉”という名前だそう。チョウチョが捕まりにくいよう滑りやすい粉なんだそうです。生き物の体って自然に適応するための工夫がいっぱいあるんですね。
続いててっちゃん先生が紹介してくれたのはエノコログサ。聞き馴染みのない名前かもしれませんが、ネコジャラシと聞けば誰もが思い浮かびますね。あのふわふわな感じを触って楽しんでいると、「こちょこちょ~」と先生をこちょばして遊び始めた子どもたちもいましたよ。
他にもてっちゃん先生が教えてくれたのは、エノコログサを手の中に入れてもみもみして、まるで生きているかのように動かす遊びです。やってみよう!「見て!動いたよ!」「出てきた!」楽しい遊び方をまた一つ知ることができました。
そのほかにもイタドリという植物の葉っぱを食べてみました。酸味のある味に子どもたちから「レモンみたい!」という声が聞かれました。味について何かに例えて表現できるようになったことに驚きを覚えました。
園に帰って最後の活動はてっちゃん先生が読んでくれるまとめの絵本の時間。今日は『モンシロチョウ』を読んでくれました。どの子も実際の体験と絵本が相まって聞く態度は真剣そのものでした。
今回もてっちゃん先生には我々保育士だけでは子どもたちと共有することができないような不思議や感動を教えていただきました。それと同時に子どもたちも自らのワンダーパワーを使ってたくさんの発見をすることができました。身近な地域の自然環境への興味が深まっていることと、センスオブワンダーが成長していることに感動を覚えます。次回の真夏の自然散策も楽しみです。
(岸)
【てっちゃん先生より】
地域の自然で子どもたちが主体的に生き物を発見し、それを大人がサポートする。これは3歳の子どもたちへのモデルプログラムになると今からわくわくしています。